富士登山⛰️

 2021年8月1日。4:45a.m.

その日、

私はついに長年のふわっとした希望を叶えた。

「富士山に登りた〜い。」

 

奇しくもコロナ禍、やっと開山した富士山。

1年遅れのオリンピックが東京で行われている

最中の事だ。

「今年しかない!」と急に思い立って、

富士山に登るという私の計画は

着々と進んでいった。

山頂に立つおよそ1ヶ月前だ。

 

コロナ前の富士登山

山頂への道が人で渋滞して

なかなか前に進めないというニュースを

見ていたから、

「山に行くのに何でそんなに混雑した所に

行かなきゃいけないのか⁈」

と思って眺めていた。

ところが、コロナ禍で閉山した富士山が

開山すると言うではないか!

もう絶対に今年しかない!

こんなチャンスは2度と来ない!

登る!

 

そうなったら

行動するのが早いのが私の良いところ☺️

先ずは道具を揃えなきゃと

ネットや実店舗で富士登山に必要な物を

着々と買い揃える。

 

あとは体力作りと作戦を練ること。

夏の暑い日、

「どうやって筋力をつけようか?」

考えた。

富士登山ガイドブックやblogを読み漁ると

太ももの筋力を強化することが大切と

書かれていた。

水泳🏊?

水着の洗濯が手間だなぁ

ランニング🏃?

急に走ると膝を傷めるらしい。

労力を

最小限に抑えてできる方法として

思いついたのが、

 

日没後に自転車で走る🚲だった。

 

スポーツ店まで爆走した🚴

店内で必需品を購入したあと

再び爆走して帰宅する。

普段車で出掛ける所へ

自転車で行く。

 

作戦はというと、

登山道をどこにするか?を先ず決めた。

山梨側から登るのか?

静岡側から登るのか?

富士宮ルートには途中、救護所がある。

登山初心者には安心だ。

また、五合目までバス🚌で行けて

楽ちんだ〜。

 

着圧スパッツを購入した。

筋力の弱さを補ってくれるらしい。

1日目に何合目で宿泊するか?などと

決めている時に試し履きをしていたら

具合が悪くなってしまった😨

じっとしていたからだ。

 

天候が大切だ。

天気が良いほうが負荷も危険も少なくなる。

山の天気アプリをダウンロードし

日々変動する天気予報と睨めっこ。

当初の予定を1週間遅らせた。

宿も前日に予約。

 

富士登山での最大の敵は高山病だ。

5合目に着くなり腹ごしらえをした。

ゆっくり1時間、身体を慣らした。

さぁ出発と歩き出したはいいけれど

直ぐに息があがって苦しい😣

周りの人はどんどん先に行ってしまった。

「こんな事で本当に登頂できるのだろうか?」

不安がよぎった。

「無謀だからやめた方がいい。」と

家族に言われていた。

ここで断念したら一生登れない気がした。

もうゆっくり行くしかない。

腹を括った。

 

肩で息をしながら重いリュックを背負って

一歩一歩、足を前に進めた。

下ばかり見ているとマスクが

あちらこちらに落ちている。

もうしょうがないマスクでも拾って行くか!

開き直るしかなかった。

ゆっくり、ゆ〜っくり

自分のペースで歩をすすめる。

それにしても息苦しい。

厚着しすぎたせいか汗もじんわり。

先ずは6合目、

次は7合目と休憩ポイントを意識した。

 

リュックからチューブで水が飲めるように

してある。

水、2リットルと

イオン飲料をペットボトル数本に

ゼリー飲料、ブドウ糖、飴、

カロリーメイト、チョコレート🍫

命を守る食料だ。

 

予定よりだいぶ時間はかかったが、

午後3時には8合目の山小屋に着いた。

山小屋で早めの夕飯🍛を食べ、

寝床や荷物を整えて身体を休めた。

 

全然眠れない。

興奮しているのか?

身体が疲れまくっているのか?

幸い、私のスペースは2人用の所を

1人で使うことができた。

開山したといってもまだまだコロナ禍。

神経を使わなくて済む。

 

ツアーコンダクターがお客さんに

深夜1:30起床を告げている。

登頂できればいいと思っていたけれど

「はて、どうしょう?」

とうとう一睡もできず

1:30a.m.になったので

えいっ!と起きた。

「やはり、ご来光を見よう!」

 

ツアーの人たちはまだ出発しない。

ひとりの私は身軽だ。

先に出かけた。

9合目、9.5合目。

真っ暗な夜空に星がめちゃくちゃ綺麗だ。

オリオン座がもうすぐそこにあり

掴めそうだ。

あと少し!

ご来光を山頂で見る!

 

山小屋で一緒だったグループが

追いついてきた。

「あともう少しですよ〜!

息を吐く方に意識を向けてくださいね〜!」

ツアーガイドの激励を頂戴して

「私も頑張る!あと少し!」

最後の坂はほぼ垂直。

「ここで怪我するわけにはいかないんだ!」

 

帰宅してからというもの

私の富士山への思いは変わった。

富士山を目にするたびに

「あのてっぺんにいたんだよね!」

「私の富士山⛰️!」

家族が言った。

「山頂で交信してきたんでしょ?🛸」

なんとでも言え!

 

ふと、疑問が湧き起こった

「あれ?夏にオリオン座見えてたけど・・・」

 

見えるんです!